SPACE ANTENNA SEVEN

フリーランスナレーター&DJ nanakoのブログです。

隣人のゆくえーあの夏の歌声ーを見てきました

映画『隣人のゆくえ』を見てきました

www.youtube.com

 

ラジオにゲストに来てくださった木場明義監督の「つむぎのラジオ」を見に行った時、予告で流れていたのが気になって。気になって・・・。

ノスタルジックな映像美とコーラス、サスペンスなのかファンタジーなのか、青春ものなのか・・・どういうストーリーなのか絶対みたいー!とチェックしていたのです。


この作品、プロの役者さんが一人も出ておらず、役者さんだけではなく、音楽制作、照明、カメラ、衣装、制作もほぼ同じ学校の生徒で構成されています。


率直に言えば、セリフから伝わるキャラクターの動機が不明瞭だったりする場面もあるのですが、それは物語を追って行けば、自然と明らかになっていく事でもあるので、自分が普段映画を見ている「姿勢」が崩壊する体験が出来ました。

 

そもそもこの映画は「彼女らのそのまま」が出ていなければ意味がない。

そこにいて、息して、考えて、生きているだけで美しい。

そういうものが描かれていたと思います。

 

 

この映画は歌とダンスシーンも素晴らしいのですが、スニーカーでグランフェッテするシーンはやばすぎてヒッ!てなりました。
あれ、上履きでジュッテも飛んでた気がする。
甘酸っぱいリリシズムがなんともいえず、耽美っぽい雰囲気も感じました。

 

いっこだけ気になったのが、スクールカウンセラーが「みんなもあなたの事を心配している」という言葉なのですが。
カウンセラーってのは患者の「個」と対話をしないといけないわけですから、その準備ができていない患者を、「みんな」という社会の価値観に引きずり出すような事は絶対いってはいけないと思います。ましてや親と先生の前で。
でも多いのかなぁ、こういうカウンセラー…。
もちろんこのシーンのモチベーションがあってこそ次の超重要なシーンに移るので必要な部分ではあるのですが、個人的に胸が痛んだ箇所でした。


隣人のゆくえは、地方都市で起きた戦争の惨禍を伝え、少女らの貴重な青春時代をありのままに記録するという一大プロジェクトだったと思います。

エンディングロールをみて気が遠くなりました。

すでにできる人を使うのほうが簡単だったことでしょう、監督の思いの強さがあの世界観を作り出したんだなぁ。

見れてよかったです。

 

舞台挨拶があって、柴口勲監督と、主演の庄司怜美さん、福田麗さん、助監の竹内義晶さんが登壇されました。

監督以外は当時高校生で、この作品をきっかけに人生が大きく変わったとのことでした。こんな奇跡が人生の中に存在するんだなぁ。うらやましいなぁ。今後のご活躍を期待しております。

 

サントラを買ったら、劇中の謎が解けました^^

 

シネマロサで9/15~20までモーニングショーやってますよ。

https://rinjinyukue.wixsite.com/rinjinnoyukue