ミュージカル『ジェイミー』東京千秋楽見てきました。
高校生の男の子がドラァグクィーンを目指すという海外原作のミュージカルです。
主演、高橋颯くんの等身大ジェイミーすごくよかったです。
葛藤にふりまわされている感じがすごく出ていて、ある意味リアルで。
自己の解放、社会的なアイデンティティ、親子問題、学校(社会)でのペルソナ、狭いコミュニティでの閉塞感、かなり複雑なストーリーでした。
前半は恵まれたマイノリティがキラキラするファンタジーかよ。ケッ!って思ったんですが、そっからの展開がすごかった。
ジェイミーがママに感情を爆発させるシーンなんてそもそも親子の絆が成立してるからこそ起こりうる事で。ジェイミーの「身代わりにするな」発言はド正論なんだけど、セクマイの長く険しくなりがちなアイデンティティクライシスの第一の山場を16歳という若いうちに引き出したママの子育ては大正解なのでは!?と思ってしまいました。
あんな風に自分の事を迷いなく全肯定してくれるママがいるなんて最高じゃん。
そしてヒューゴの言葉全部重くて泣いちゃった。
社会的な葛藤はセクマイだけじゃなくて、親にも友達にも、先生にも、みんなあって、みんな怖くて、寂しくて身の置き所を求めて悩んでるんだよっだから自分の情熱を無視すんなっ!!!っっつって描かれ方が良かった。
セクマイ
同居嫁
され(浮気)
被虐児
葛藤アイコンってわかりやすい順にスポットあたるじゃん。
ちょっとハッとしました。
「あなたはあなたでしょ?」
なんていうあらゆる同一性への葛藤を踏みにじる魔法の暴言が出てこないのもよかったな。
我々思う存分これからも葛藤して生きていきましょうねっ。
その中で、信じられる仲間とかパートナーに出会えたら最高だよね・・・っッ;;
さて、私はドラァグクイーン大好なんです。ヘドヴィクとかフランクンフルターとか性癖で。本編ででてきたクインさんたちは本物じゃなかったけど、とてもお美しかったです。
ただ、どうしてもコメディリリーフみたいな扱われ方されがちなのがね、ちょっと。雑に扱われているような気がしてしまって、拍手起きていたけど全然笑えなかった。私が神経質なのはあるでしょうけど、そこまでやっといてそんなわかりやすいオカマ演出はいんの?とちょっとがっくりきたところでした。
会場は池袋の旧庁舎のあたりにできた東京建物ブリリアホールでした。
駅近にこんな立派なホールができるなんてやるじゃん池袋。音は、ZEPP東京よりはいい。という感じ(比較対象・・・)
実はこのミュージカル、田村芽実ちゃんのキラキラプリンセスボイスを生で聞きたくて取ったのですが、なんとうっかり別日。
森崎ウィンくんとのデュエット素晴らしいに違いなかったので残念な気持ちもありますが、凱旋公演なんてあったらしっかり狙いたいなあと思いました。
写真撮影OKのとこで、スマホのカメラ変でかまいたちの夜(ゲーム)みたいになった。
難しかったけどよかったよジェイミー!
帰りに丸井によったら、ちょうど44年間の営業の最終日だったそうですごい人。
閉店理由はコロナ禍による売り上げ低下もあるけど、建物の老朽化もあるのだとか。
人間は44歳では普通くたばらないのに、こんな立派な建物が人間より早く終わってしまうのはなんだかそこはかとなく寂しい気持ちになりました。
わたしずっと子供のころから池袋なので、丸井も私の記憶の中にずっとあります。
長く生きるって切ないですね。世相的なものもあるでしょうがシンプルに別れが増えていく。と、ちょっと感傷的な気持ちで私なりのお別れをしました笑
ありがとう丸井池袋。