SPACE ANTENNA SEVEN

フリーランスナレーター&DJ nanakoのブログです。

劇団生命座「太陽が落ちてきた―すずなりの逸声―」を見てきました

9月2日にごきげん!ひるMAX next.にゲストにお越しくださった劇団生命座代表の鷹青由加子さんの舞台です。

 

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演劇舞台は見るほうもエネルギーがいるので、不調だったここ数年なんとなく足が向かず。でも、ラジオで鷹青さんのお話と、お人柄に触れて、あらすじを伺い、これは見に行かないと!と久しぶりに劇場に行きました。

 

お話の内容が原爆投下の瞬間から数日間の話なので、それぞれのエピソードも悲惨でとにかく悲しいのですが、見終わって一息ついて、またぶわっと泣けました。

これは本編の臨場感やストーリーもそうなんですが、同時に制作者の方たちの鬼気迫る想念のかたまりにやられたという感じです。

 

とにかく熱がすごかった。

気に入った作品は2回見に行くこともあるのですが、この作品はちょっと2回は見れない。良い意味で気軽には見れない作品でした。

これを7回も公演される役者さんたち、やばいです。大丈夫なのか!?

 

この舞台に出演されている役者さんの半分は、舞台が未経験だったとのことですが、いったい誰が?と驚きました。

 

鷹青さんにお会いするまで、こういう事をやっている劇団があるということを知りませんでしたし、鷹青さんにお会いして、こういう方の作る作品はどういうものなのだろう、と思わなければ、どこかでチラシやポスターをみても行こうとは思わなかったかもしれないです。

 

そして、単純に「戦争の悲惨さを伝える」というテーマも現代ではありふれていて「わかってるよそんなん」なんて思いがちですし、ほかに興味を惹かれる刺激的な作品がたくさんあるわけです。

だから、この作品冒頭の「実験施設でVRで広島の原爆体験を現代人がしたら」という非常にユニークな切り口がなければ、作品の中身に興味はわかなかったかもしれません。

個人的にこの作品の凄みは「戦争を過去のものに置いてけぼりにしない」明確な意図がVRの実験という箇所に非常にわかりやすく具現化されているところにあると思いました。

 

「わかってるよそんなん」と思いながらも、今の平和がたくさんの犠牲や悲しみの上に成り立っていることを忘れてしまう。

戦争教育を学校のカリキュラムに組まれていますが、戦争への考え方は思想、宗教、様々な要素で国内ですら異なります。
それでも、現代の軍事技術とともに戦争の知識を常にアップデートし続け、「戦争は嫌だ」という感情一つを研ぎ澄ませることも、戦争を生き残った命を受けつぎ、これまで運よく実体験をせずに生き遂せている我々の使命なのでは、と思いました。

戦争をテーマにした作品を見ても、10代の頃とまた違った感想が出てきますね。

VRで原爆を体験するのって本当にやったほうがいいのでは。

 

2019年9月23日の17時公演最終です、このブログを読んでる人がいたら是非見に行ってみてください。

チケット、夜公演はまだあるそうですよ!

劇団公式

www.seimeiza.net

 

萬劇場

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