8月16日の775ライブリーFM『GOGOひるず』は志木市にあるソレア心理カウンセリングセンターの臨床心理士、高間しのぶ先生をお迎えしました。
今回は心理相談はなしで、主に時事トピックスを心理学の文脈で高間先生はどう見るか、という進行となりました。
■中元日芽香さんのカウンセラー転職
7年適応障害を抱えながらカウンセリングを受け、乃木坂46を卒業しセカンドキャリアとしてカウンセラーの道を選んだ中元日芽香さんについて
心理家の間でも、「資格を持っていない」「経験が浅い」という事を不安視する声もあるが、カウンセリングを終わらせることが実はとても難易度が高い事なので、その経験は臨床家として誰かを救うために役立ててほしい。
大げさに言えば、カウンセリングを終わらせた経験をキャリアとして生かさないことは世の中の損失である。
適応障害をカウンセリングで克服したという事は同じ境遇の人に共感ができるということ。
心理職として必要な大前提の素養が「共感」
資格がないことが問題なら、資格を取ればいいだけの話。
ぜひ勉強を続けて臨床心理士の資格を取ってほしい。
資格をとる勉強をする中で心理士として必要な態度や様々な症例を見ることになる。その経験は自分にも心理士を必要とする他者にも有益となる事だろう。
歳をとって、現役の大学生のように学ぶ機会が得難かったとしても、長く生きた経験そのものがカウンセリングに必ず生きる。中元さんのみに限らず、カウンセリングを修了させた経験がある方はゆっくりでもいいから臨床心理士を目指すのはどうか。
■人の話を聞く方法
・共感が大前提
・遮らずに最後まで聞く
・相槌は自由に打つ。
・アドバイスをしないこと
■小田急線刺傷事件
36歳男性の容疑者の供述、発想は非常に幼稚。
幼稚であるという事は自己愛が適切に育っておらず、過剰に承認を求める。
自分を振り返ることがないので、求める自己愛が得られない時に原因が他者にあると思い込み、究極他者を加害する。
容疑者の供述「いままではモテていたのに急にモテなくなった」
この発言がカギ。
人は年齢に合わせて心も成長する。
自己愛が育つのは思春期、自己愛が育っていない容疑者は思春期で心の成長が止まっている可能性がある。
周囲でひとりだけ心の成長が止まっている(幼い)ため、周囲の成長に伴い相手にされなくなったのでは。
このタイプの人間を治療するのはとても難しい。
通常の機会で遭遇した場合は関わらずに逃げるのがいい。
自己愛にも誇大妄想タイプと、過敏タイプがいる。
過敏タイプは関わっても問題がない。
■大津6歳女児虐待死からみるヤングケアラーの問題
ヤングケアラー(ケアが必要な家族の過剰な介護を受け持つ未成年)は名前こそついたのが最近だが、臨床の世界では「虐待」と定義されている。
親子関係が適切に構築されている場合は虐待にあたらないケースもあるが、虐待であるケースが多い。
このケースの詳細がわからないが、もともと母親に精神障害や発達障害などがあって子供を養育する能力がない可能性もある。
17歳の少年が受けるべきは厳罰ではなく治療である。
以上ざっと記録です。
普段なかなかこのような切り込み方はできないので、先生のお話をお伺い出来てよかったです。
一般的なリアクションとはまったく違う見方ができますね。
またこのような機会を設けたいと思います。
聞いてくださった方ありがとうございました!
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